『かなり』

干支に入れてよ猫

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私の人格が形成されるのに重要な影響を与えていることが否定できない高校時代 の開場

どうも、坂津です。

先日の記事で私の過去の不思議体験をご紹介させていただきました。

自分では文字にするとあまり怖くないなと思っていたのですが、どうやら読んで頂いた方の中には恐怖を感じられた方もいらっしゃったようで、金縛りが伝染った方、ガチで怖い「ぽぽぽぽ」が頭をよぎった方、すみません。

あと羨まれた方には「ネタにはなりますがね」と。

薄目で読まれた方には「それ怖さ半減するの?」と。

ただまぁ、楽しめる程度の怖さなんじゃないかと思いますのでどうか許してくださいね。

 

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それよりも私が改めて感じた恐怖は、black-koshkaさんがなぜか演劇部のくだりを気にされていることです。

さらっと書いたつもりの何気ない部分を気にされると、何かそこからトンデモナイことになるんじゃないかと不安になります。

 

私の演劇部時代は大半が黒歴史ですので「あれ、演劇部で坂津って・・・もしや?」なんてことになると、封印しておいたパンドラの箱を開けられてしまいそうで怖くて怖くてもう、幽霊とかメじゃない恐怖ですよ。

 

 

なに佳奈?

演劇部時代の黒歴史が露見するかもしれない?

佳奈 それは無理矢理ひた隠そうとするからだよ

逆に考えるんだ

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「バレちゃってもいいさ」と考えるんだ

 

ということで、逆に考えました。

自ら白状します。

 

 

私は高校時代、演劇部に所属していました。

基本的に「中学校に無かった部活」から選ぼうと決めていました。

高校生からいきなり始めると、中学校からやってる奴らに勝てないのは明白です。

かと言って中学校では部活に所属しているだけで何の活動もしていなかった私は、帰宅部も同然でした。

いや、部活の時間は学校に居たので帰宅もしていないワケで、帰宅しない部?ですかね。

まぁいいや。

そんな選択理由で絞られたのが「弓道部」「登山部」「物理学部」「演劇部」の四つでした。

高校生になりたての私には、どれもこれも魅力的でした。

 

弓道とか超カッケー!乗馬もたしなめばヤブサメできるじゃん!?

登山とか超シブイ!「そこに山が在るから」って言えるんでしょ!?

物理学とか超オモシロソー!光学!?相対性理論のやつだろ!?

演劇とか超タノシソー!大道具から小道具まで工作関係は任せろよ!

 

しかし実際に見学に行ってみると。

 

弓道部は試合前の1~2週間しか練習しません。

基本的には空き地でサッカー。

なにそれ。

 

登山部は年に2回だけ近場の山にハイキングに行くだけ。

基本的には空き地で弓道部とサッカー。

なにそれ。

 

物理学部は唯一、当時としては貴重なパソコンを使える部だったけど、部員はみんなエロゲをやってるだけ。

先生が来たときの画面切り替え方法が卓越していた。

なにそれ。

 

ああ、どうせ演劇部も大したこと無いんだろうな。

帰宅部になってバイトでもすっかな。

 

そんな諦めムードで見学希望を提出し、放課後の部室を覗きに行きました。

 

すると。

 

部室のドアの向こうから「好きで~もな~いくせに好きなぁ~」と巡恋歌が(長渕剛さんのですよ)聴こえてきました。

合唱している感じではなく、一人が絶唱している感じです。

ともかくドアを開けると、そこにはカオスが広がっていました。

一応防音のドアだったらしく、この激しい雑音をあれだけに抑えていたのはすごい機能だと感心しました。

そしてそのままくるりと踵を返し、立ち去ろうとした瞬間、肩をポンと叩かれました。

 

「君が見学希望者だね?ようこそ演劇部へ!」

 

眼鏡を掛けたクマが日本語でしゃべりかけてきました。

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巨体に似合わないヌルリとした体捌きで私とドアの間に割って入ったクマは、私の肩を叩いた前足を器用に使ってドアを締めました。

 

外にも聞こえていた巡恋歌は最高潮を迎え「貴方の胸にはさっさーらぁーないぃぃぃ~」という声が私の耳に突き刺さります。

 

部室の中にはざっと5つの生命体を確認することができました。

 

フォークギターを掻き鳴らしながら巡恋歌を歌っていたのはハンプティダンプティでした。

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その後ろでは、恐らく無断で盗ってきたであろう体育のマットをぐるぐる巻きにしたものに、異様な掛け声で突きと蹴りを打ちこんでいるエスパーが居ました。

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「王様パンチ!」「王様パンチ!」「王様パンチ&キック!」「王様キック!」

 

エスパーの向かいには岩石が置かれてありました。

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どうやら岩石は本を読んでいるようでした。

何かフゴフゴ言っています。

読んでいるのはオレンジ通信でした。(誰も知らないだろうな・・・)

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岩石の奥には武丸が居ました。

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怖すぎて失神するかと思いました。

 

結局、部室に居たのはこんな感じでした。

・クマ:3年生で部長

・岩石:3年生

・ハンプティダンプティ:2年生

・エスパー:2年生

・武丸:2年生

字並びが悪いのでこの後からハンプティダンプティは玉子、エスパーは伊東と表記しましょう。

 

 

通常の神経を持ち合わせた普通の一般人であれば、絶対に「今回はご縁が・・・」となること請け合いの光景が目の前にありました。

もちろん私も一般人の一員でしたので、すぐさま逃げ出そうとしましたがクマが居てドアを通れません。

 

「ちょっと変わった連中だけど、みんな芝居が好きな気の良い奴らだよ。君も芝居に興味があるんだろう?」

 

恐らくは鮭のウロコで、口角をキラキラさせながらクマが語ってきます。

 

「あ、いや、特に興味とか、そんな・・・」

 

さっきまであんなに騒がしかった部室が静まり返っていることに気が付きました。

 

玉子「芝居とか難しく考えずに、まぁ歌おうぜ」

伊東「君も王様パンチを習得するんだっ!!!」

岩石「・・・」(すっ・・・とエロ雑誌をこちらに向ける)

 

ダメです。

一刻も早くこの場を離れたい気持ちでいっぱいです。

 

武丸「誰か攫ってきたら、お前は帰してやンよ?」

クマ「おいおい武丸、それは名案じゃないか!」

乗んのかよクマ。

 

こうして私は自分の身可愛さに、人身御供を探すべく放課後の教室に戻りました。

教室にはジャイマンとスネヲが居ました。

まだ入学から2週間程度ですが、知っている奴が居て良かったです。

「ねぇジャイマン、君、確か中国拳法やってるって言ってなかったっけ?今まで聞いたことない面白そうな拳法(王様パンチ)を教えてくれる部活があるんだけど」

「なにぃ?この俺様が知らない拳法だと!?坂津のくせに生意気だぞ!連れて行ってみろ!」

「スネヲもさ、歌うの好きだって言ってたよね?」

「シシシ。そうなの。僕ちゃん歌うの大好き!でも部活はなぁ、ママに早く帰りなさいって言われてるからなぁ」

 

こうして私は言葉巧みにジャイマンとスネヲを部室まで連れていきました。

ジャイマンは伊東に心意六合拳をお見舞いし、伊東は床に崩れ落ちました。

スネヲは玉子とハモり、意気投合していました。

 

二人の適応力、というか、合うべくして合ったパズルのピースのように、ジャイマンとスネヲは入部を即決しました。

 

よし、これで私は解放された!

 

そっとドアを開け、外に出ようとした私の視界はゴゴゴと黒い影に覆われました。

私が見上げたのはグリズリーでした。

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違いの分からない方の為に説明しますが、普通のクマはだいたい体重が150kg程度だそうです。

しかしグリズリー(ハイイログマ)は300kgを優に超える巨体と、その名の通り灰色の剛毛、そして首裏のコブが特徴です。

これに勝てるのは範馬勇次郎くらいのものです。

私は回れ右をして部室に入り、ドアを閉めました。

するとスゴイ勢いでドアが開けられ、そして咆哮が耳をつんざきました。

 

「練習だオラアアァァァァァッッッ!!!」

 

ここから先の記憶はあまり無く、気付いたら体操服を着て練習場に居ました。

なぜか入部希望用紙にも私の名前が記入されていました。

私の字かどうかは定かではありません。

 

こうして、燃え盛る炎のように激しい部活、炎激部での生活が始まりました。

ちなみにグリズリーは演劇部の顧問であり、そしてクマの父親でした。

部員は男しか居ませんでした。

この入部が、現在の坂津劇場の構築に大きく関与していることは否めません。

私は立ち入り禁止区域に足を踏み入れてしまったのでした。

 

 

あれ、入部しただけで終わっちゃったぞ。

まだパンドラの箱の蓋すら見えてないなぁ。

 

~「開演」に続く~