『かなり』

干支に入れてよ猫

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何をされたのかは分かるけど、それの意図が分からないことって結構ある

どうも、坂津です。

映画『マイ・インターン』で泣きました。

アン・ハサウェイが可愛すぎて。ロバート・デ・ニーロも可愛すぎて。

ベンのようなシニアになりたいと心から思いました。

きっと観た人はみんなそう思ったんでしょうね。

そして刹那的にそうなりたいと決心して、まじめにコツコツ働こうと思い直して、朝起きるとすっかり忘れているんでしょうね。私のように。

 

 

つい出来心でってのが、誰しもあると思います。

今日の昼食時、私がそうでした。

通い慣れた定食屋で、特にメニューが多い訳でもなく、すでに全メニュー制覇済です。

「ご注文は?」

と聞かれたときに目に入った文字を読む感じのオーダーが定例です。

しかし今日は違いました。

 

つい出来心で。

 

「チキンカツラーメンってできます?」

 

この店にはチキンカツ定食というメニューがある。

ラーメンもある。

当然、材料は厨房に揃っている。

作ることは可能なはずだ。

 

「チキンカツ定食のチキンをラーメンの上に乗せてくだされば良いんですが」

 

戸惑う店員さんに説明をする。

 

「分かりました、ちょっと相談してきます!」

 

ダメならダメで良かったんです。

代わり映えのしない昼食にちょっとだけ新鮮味が欲しかっただけ。

 

厨房では先ほどの注文を聞いてくれた店員さんが何やらボソボソと他の店員さんに相談している様子。

聞かれた店員さんはまた他の店員さんを呼び、カウンター席の私からは集結して相談する店員さんの塊がよく見える。

 

1分ほど待っただろうか。

 

「できますよ!少々お待ち下さい!」

 

割と待ったし、半ば諦めかけていた私には意外な回答だった。

この店、やるじゃないか!

 

注文したメニューが来るのをワクワクしながら待つなんて、どのくらいぶりだろう。

心なしかドロップを操作する指先が軽い。

三国チャレンジもクリアできそうだ。

 

「お待たせしました!」

 

目の前に置かれたのは普通のチキンカツ定食だった。

 

我が目を疑った。

 

チキンカツ、白いごはん、漬物、キャベツの千切りにドレッシング・・・

動揺を押し殺しながら厨房の中の店員さんに声をかけようとした矢先

 

「これでお揃いでしょうか?」

 

とラーメンが運ばれてきた。

 

完全なる二人前の料理を眼前にした私は深いため息をつき、箸を割った。

食うしかない。

 

恐らく未経験のオーダーに店員さんたちは相談に次ぐ相談をしているうち、伝言ゲームよろしく注文の内容が微妙に変化していったのだろう。

イレギュラーな注文をした私の方が悪いのだ。

そう思いながらひとりフードファイト

 

 

何か新しいことを始めるとか、今無いルールを作るとか、こんなに難しいことだったのかと痛感しながら、パンパンになったお腹を撫でつつ会社へ戻った。

 

完食こそしたものの、ダメージは計り知れない。

午後からの仕事はおそらく能率60%ダウンは必至だろう。

 

は!まさかこれが狙いか!?

突拍子もない迷惑注文をする客に対する攻撃だったのか!?

だとしたらスゴイことだ。

全く気付かなかった。

 

もう一度あの店に行く前に 言っておくッ! 私は今 やつの攻撃を ほんのちょっぴりだが 体験した。い…いや… 体験したというよりは まったく理解を 超えていたのだが……

あ…ありのまま 今、あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「私は 奴の前で二人前のメニューを完食したと思ったら それは攻撃だった」

な… 何を言っているのか わからねーと思うが 

私も 何をされたのか わからなかった…

頭がどうにかなりそうだった… 聞き間違いだとか配膳ミスだとか

そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…文字通りな